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ウェブサイト更新担当者のためのWordPress基本ガイド

目次

はじめに – この講座の目的

ウェブサイトの「更新担当者」の役割は、サイトに掲載される情報を新しく、そして正確に発信していくことです。初めてその役割を担うとき、多くの方が「自分にできるだろうか」「間違えてサイトを壊してしまったらどうしよう」といった不安を感じます。

この講座の目的は、その不安を解消し、ご自身の役割と安全な作業範囲を正しく理解することで、最終的に「思ったより、私にもできる」と自信を持っていただくことです。そのための確かな知識と手順を、一つひとつ解説します。

1. WordPressの基本構造 – 「家」の例えで理解する

まず、ウェブサイトがどのような仕組みで成り立っているのかを、全体像を「家」に例えて理解しましょう。

サーバー:家を建てるための「土地」

ドメイン:その土地の「住所」

WordPress:家の「骨組みや建物」そのもの

テーマ:家の「デザインや内装」

プラグイン:暮らしを便利にする「家電や家具」

あなたの役割は、この家の設計や内装(テーマ)を変更することではなく、中にある掲示板に新しいお知らせを貼る、といった「更新」作業です。

2. 主な作業場所 – 「投稿ページ」と「固定ページ」

WordPressには、情報を掲載するページとして主に2種類あります。それぞれの役割を理解し、主にどちらを操作するのかを把握しましょう。

  • 固定ページ 施設の案内やアクセスマップ、組織概要など、内容が頻繁には変わらない情報を掲載するためのページです。サイトの土台となる重要なページが多く、トップページもこの固定ページで構成されていることが一般的です。
  • 投稿ページ 行事のお知らせや活動報告など、日々新しく追加していく情報を掲載するためのページです。時系列で情報が蓄積され、新しいものが一番上に表示される「お知らせ掲示板」のような役割を果たします。あなたの主な作業は、この「投稿ページ」の作成と編集になります。

3. 基本操作 – お知らせを掲載する流れ

チラシなどの画像やPDFファイルを含むお知らせを掲載する作業は、主に以下の3つのステップで完了します。

  1. ファイルのアップロード 掲載したい画像やPDFファイルを、WordPressの保管場所である「メディアライブラリ」にアップロードします。
  2. 新規「投稿」の作成 管理画面から「投稿」を選択し、新しいページを作成します。「〇月の行事」のような、内容が分かりやすいタイトルを入力します。
  3. ブロックを使って内容を作成 現在のWordPressでは、「ブロック」と呼ばれるパーツを組み合わせてページを作成します。文章を書きたい場合は「段落ブロック」、写真を載せたい場合は「画像ブロック」、PDFファイルを載せたい場合は「ファイルブロック」といったように、目的のブロックを追加し、内容を入力したりファイルを選択したりするだけで、直感的にページを作成できます。

4. サイトの現状分析と懸念点

今回、講座の事例として分析したウェブサイトは2023年3月に制作されたものですが、その基盤にはいくつかの注意すべき点、すなわち「懸念点」が確認されました。

  • WordPress本体のバージョンが古い このサイトでは、WordPressの「バージョン6.1.1」(2022年11月リリース)が使用されていました。新しいサイトでありながら、制作時点で既に最新ではなかったソフトウェアが導入されています。バージョンが古いままでは、セキュリティ上の脆弱性が放置されている可能性や、新しいプラグインとの互換性がなくなる可能性があります。
  • プラグインのバージョンも古い可能性 本体のバージョンが古いため、お問い合わせフォームとして広く利用されている「Contact Form 7」や、その他の機能拡張プラグインも古いバージョンで動作している可能性が高いです。これもまた、不具合やセキュリティリスクに繋がることがあります。

これらの懸念点は、更新担当者であるあなたの責任ではありません。しかし、サイトがこのような状態にあることを知っておくことは、なぜ「安全な作業範囲を守ること」が重要なのかを理解する上で役立ちます。

5. 万が一に備えるための知識:バックアップの重要性

日々の更新作業は、手順通りに行えば特に問題は起こりません。しかし、ウェブサイトを運営する上では、万が一の事態を想定しておくことも大切です。その最も重要な備えが「バックアップ」です。

バックアップとは、サイト全体のデータ(記事、写真など)を丸ごと複製し、別の場所に保存しておくことです。これがあれば、何か問題が起きてもサイトを元の状態に戻すことができます。

WordPressには、「UpdraftPlus」のような、自動でバックアップを取ってくれる便利なプラグインもあります。

もし担当サイトのバックアップ体制がどうなっているか分からない場合は、サイトの管理者や制作した方に、「万が一のために、サイトのバックアップは定期的に取られていますか?」と確認してみることをお勧めします。バックアップの設定や復元作業は専門的な知識が必要なため、ご自身で行うのではなく、専門家の方に相談するのが最も安全な方法です。

6. 日々の更新作業で守るべき安全ルール

上記の背景知識も踏まえ、日々の更新作業では、以下のルールを遵守してください。これが、あなた自身とサイトを守ることに繋がります。

  • 専門領域には触れない サイトのデザインを決める「外観」や、機能を追加・変更する「プラグイン」のメニューは、専門的な管理領域です。これらは操作しないでください。
  • 「下書き保存」を活用する 作成したお知らせは、すぐに「公開」せず、一度「下書きとして保存」機能を活用しましょう。公開前に内容を再確認したり、他の担当者にチェックしてもらったりするのに役立ちます。
  • ご自身の「ユーザー権限」の範囲を理解する あなたのWordPressアカウントには、安全な操作しかできないように「権限」が設定されているはずです。その範囲を越えた操作は試みず、定められた役割の中で作業を行いましょう。

7. まとめ

ウェブサイトの更新担当者の役割は、定められた範囲の中で、情報を正確に発信していくことです。このガイドで解説した基本操作と安全ルールを守れば、自信を持ってその役割を果たすことができます。まずは「投稿」機能に慣れることから、着実に始めていきましょう。

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